全般性不安障害(GAD)とは
全般性不安障害(GAD)とは、特定の場面などに関係なく漠然とした不安を抱えている状態が慢性的に続く精神障害です。不安の対象は、日常、非日常を含むあらゆることが対象であり、精神的な衝動などによるストレスが要因となって発症すると考えられています。適切な治療を行うことで改善します。
全般性不安障害(GAD)の原因
全般性不安障害(GAD)の原因は、特定の出来事ではなく、家庭問題や会社でのプレッシャー、学校生活、近所付き合いなど抽象的な状態が原因となって不安を感じることが多いです。また、台風などの自然災害や交通事故、通り魔などの事故や事件などの非日常なものまで、あらゆるものが不安や心配の対象となります。
全般性不安障害(GAD)の症状
全般性不安障害(GAD)の症状は、特定の型はなく、全般的な精神症状や身体症状が現れます。
- 仕事や学業も含めた生活全般で、多くのものごとに対して過剰な不安や心配がある
- 心が落ち着かない
- 過剰な心配や不安を感じている状態が6ヵ月以上続いている
- 心配や不安を自分でコントロールできない
- 心配になって、予定を先延ばしにしてしまうことがある
- そわそわする、落ち着くことができない
- 緊張しやすい、様々なものに過敏になってしまう
- 何事にも集中できない
- 刺激があると敏感に反応する
- 眠ることができない
- 疲れやすい
- 肩や首などの筋肉が凝り固まりやすい
- 不安や心配があるため、安心や安全を強く求めている
など
全般性不安障害(GAD)の治療
全般性不安障害(GAD)の治療では、薬物療法と認知行動療法を中心とした心理療法を行います。不安や恐怖が強く現れている時期は薬物療法を行い、症状が落ち着いてきたら認知行動療法などを行い不安のもととなっている認知の歪みを解いていきます。
全般性不安障害(GAD)と
うつ病、心配性との違いは?
全般性不安障害とうつ病の違い
全般性不安障害と、うつ病はどちらもこころの不調からくる病気ですが、全般性不安障害は、日常生活の中で長く不安を感じる状態が続いている病気です。特に特定の原因がない場合でも、仕事や人間関係、健康などあらゆることに対して不安を感じます。一方、うつ病は、強い気分の落ち込みや興味・関心の喪失が中心となる病気です。
このような点で、うつ病とは明確に異なります。
ただ、全般性不安障害の人がうつ病を合併する、うつ病の人が全般性不安障害を合併するといったケースは少なくありません。
全般性不安障害と心配性の違い
心配性とは、心配になりやすい気質を指し、病気や障害ではありません。一方、全般性不安障害は心配なあまり何もできなかったり、引きこもってしまうなど、日常生活に支障をきたしているという特徴があります。